タイランドと猫とわたし

『サウスバウンド』/奥田英朗著

 新しいカテゴリー、「本とか」を追加した。

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 夏休み前に買って、この夏、日本に帰っとる間に読もうと思っとった本。でも、勢いよく、上下巻を、週末で読み終えてしまった本。『サウスバウンド』/奥田英朗著

f0085850_11485251.gif 小学六年生の長男二郎の目線から書かれた、その家族のはなし。その、ちょっと、いや、かなり突飛な家族が、東京の下町から沖縄の小さな島に移住する。父親が過激派だったとか、姉がなんだか妙に色っぽいとか、ちょっと気になることもあるけれど、二郎な、二郎の、小六の毎日に大忙しだ。友だちのこと、学校のこと、先生のこと。
 その二郎の語り口がとても気持ちがいい。とても、小六。駆け抜けている感じが素直で、ぐんぐん成長している感じが爽やかで、なんだか、読んでいるこっちも、気持ちが透き通って一緒に汗をかいているように思いながらページをめくる。
 二郎は、小六なりに考え、小六なりにがんばる。読み手も、「小六だ」ということが分かるけれど、そこで、いや、もしかして、これは「人」の、素直な、あるべき視点なのかもしれない、と気がつく。偏屈に、斜に構えている場合ではなく、わたしたち大人だって、二郎みたいに、この目で見て、この手で触って、この足で駆けて、そして学んでいくものなのではないか。本当は、それがしたくて仕方がないんじゃないか。
 東京は下町で、移住先は沖縄で、季節は夏で、二郎は思春期で、という、「爽やか駆け抜け」系の要素はばっちり揃っている。そんななか、父と母が元過激派、というところが、ちょっとだけこの作品を独特の空気にしている。そこもまた、いい。

 本屋大賞も受賞したみたいです。同賞をやはり受賞した『夜のピクニック』も国語の教科書に抜粋されているし、もしやこれも、いずれそうなるのでは!?いや、もうなってる!?登場人物の心の動きの捉え方。風景の描写。生徒でも、読み込んでいけるところは、たくさんある作品だと思います。

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 新しい学校では、母語として日本語を話す生徒たちと、日本語のクラスをすすめていきます。国語とはちょっと違うカリキュラム。じゃあどんなカリキュラム?と言われると、実は自分でもまだ霧の中の状態で、よく分かっていなくて。でも、生徒たちはたっくさん読んで、たっくさん書かないといけない、それが好きになってもらえるように、こっちはがんばらないといけない。そのところは、しみじみ分かっています。

 もっと、ごくごくと、読もう。
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by mamemama_blog | 2009-07-22 12:06 | 本とか
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