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タイランドと猫とわたし

音楽づくし 但しごった煮

like 'ole
1. various, different [様々な、異なった]
nā 'ano nananana like 'ole (=all different kind of spiders [あらゆる種の異なる蜘蛛])
・・・どうして、蜘蛛(nananana)を使った例句を辞書に載せるのだろう。おもしろいけれど。

※ちなみに、ハワイイ語の"nā"は、冠詞(英語の"the"にあたる)です。ただし、複数の名詞のときにだけ、登場します。単数のときは、ありません。ハワイイ語は、単数と複数を英語などのように厳しく言い分けません。そのかわり、こういう文法があるのですね。単数か、複数か、ってそんなに大切な情報なのかな?(サピア・ウォーフの仮説-Linguistic Determinismに近づいていく・・・)

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 今日、買いました。これを。

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 「調子笛」です。和楽器の調弦で使われるものです。もちろん、わたしは、三線の調弦に使うのですよ♪

 買ったお店は、お箏と三味線の専門店みたいでした。「何に使ってんです?」と聞かれ、「三線」と答えました。おやじさん、ぽん、と手を打つ。「あー、うちも昔問屋さんがくれちゃって持っとったけどね、子どものおもちゃにしてしもーてから、はー、ぼろよ」とか言いながら、倉庫から、たしかに「ぼろ」にされた三線の棹が出てくる。オー・マイ・ゴッド。なんとかわいそうな三線。

 おやじさん、基本的に「三味線はすごい。三線は適当」という定規を持っています。そんなトーンのまま、話は進む。まーまー、しばし話を聞こう。

 三味線と三線の違い、たくさん知りました。

 例えば、使う言葉。
   三線:「女弦(みーじる)」 → 三味線「三番」
   三線:「男弦(うーじる)」 → 三味線「一番」
   三線:「三下ぎ」 → 三味線:「三下げ」
   三線:「二揚げ」 → 三味線:「二上がり」  
   (総じて、三線のほうが人間くさくて、良い、というのがわたしの感想)

 おしゃべり好きなおやじさんは、三味線の音の響きについても語る。三味線、あの、「ばちん、ばちん」と強く響く音の理由。それは、弾き方ではなく、楽器そのものの構造によるものでした。

 三味線では、一番自分側の弦1本だけ、からくいのところから、ずっと棹にぴったりついているのです。中弦(2番)と女弦(3番)は、からくいのすぐ下で、なにか駒にのっているけど。だから、2番を弾いても、3番を弾いても、常に1番が響いて、オクターブのような響きになるそうです。んー、計算されているぞ、三味線!一方、三線の弦は、3本とも駒にちょこんっとのっているので、単純に1本ずつ響いて、鳴るわけです。

 譜面も見せてもらいまいた。意外でした。全然違うから。横書きで、算用数字もたっくさん使ってありました。びっくり!三味線、時代に乗っとる!

 棹の長さは、三味線のほうがずいぶん長く、でも、使っている木が違うから、軽い。その代わり、三味線は太鼓にも木を使っているから、全体としては、三味線のほうが三線より、重い。

 そして、その「重い」は、実際の楽器の重さだけでなく、「伝統」や「流儀」などの重さも、三味線のほうが、はるかに上。というか、・・・重圧。それが、おやじさんの「誇り」のようにも感じましたがね。

 棹の先っぽにつけるカバーを陳列棚に見つけ、かわいい♪とはしゃぐわたしに、おやじさん、「三線は適当な楽器じゃけー、カバーせんでも壊れん。三味線は、これがないといけん」と、きっぱり。たしかに、三味線の棹の先っぽのカーブは、三線と違って、とても複雑で、繊細な感じでした。木目も計算されつくしているそう。

 おやじさんと話しながら思う。何から何まで、なんだか、雑で、野暮で、めったうちで、かわいそうな三線・・・。でも、そんな三線が、わたしはますますいとおしくなったのでした。

 調子笛を買って、おやじさんとバイバイ。おやじさん、100円まけてくれたよ。

 ほくほくした気分で、タワー・○コードに足を運びました。シューベルトのピアノソナタ(内田光子版)がほしくて。次に練習するのは、シューベルトのソナタ、と決めているのですが、どの曲にしようか、迷っているので。

 でも、思うものが見つからず。

 結局、SAKANAの新しいアルバム"Sunday Clothes"を購入。

音楽づくし 但しごった煮_f0085850_054018.gif 今、聴いています。ライブ音源?って感じです。相変わらずな感じで、良いです。歌詞の「夢見がち度」「欧米より度」は低くなった気がします。好きです。買ってよかった。

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 沖縄音楽、クラシック、ポップスと飛び移った今日のわたしでした。

 でも、・・・子どもの頃からの、刷り込みってすごいです。「肝(ちむ)どんどん」は、今でもクラシックが、一番!三線を習っても、ウクレレを買っても、わたしの心は、まだ、どうやったって、ここにありますよ。浮気なんて、する隙がありませんよ。

 シューベルト、どれにしよっかな。
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